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桜井 淳; 野尻 一郎*
JAERI-Conf 2003-019, p.855 - 857, 2003/10
本稿は日本における核燃料サイクル施設のモンテカルロ法による未臨界安全解析セミナーについてまとめたものである。連続エネルギーモンテカルロコードMCNP-4C2システムが参加者各自の持参したノート型パソコンに瞬時にインストールされ、計算演習に利用された。計算に先立ち炉物理及びモンテカルロシミュレーションの基礎理論の講義が行われた。このセミナーでは、JCO沈殿槽,JNCウラン溶液貯蔵施設,JNCプルトニウム溶液貯蔵施設,JAERI TCA炉心の実効中性子増倍率及び中性子スペクトルの計算を行った。臨界事故を防止するため、核燃料サイクル施設の安全管理の考え方も示した。
渡辺 庄一; 三好 慶典; 山根 祐一
JAERI-Tech 2002-043, 93 Pages, 2002/03
ウラン加工工場臨界事故では、初期バースト出力に引き続き、プラトー部では熱的に有意な出力レベルが持続した。一連の事故出力変化は、JCO東海事業所の線エリアモニタの観測データとして記録されている。この有意な出力レベルが持続した要因として、JCO沈殿槽の冷却水ジャケットの水が流れていたことが挙げられる。また、緩やかな出力降下が観測されたが、主な要因として燃料溶液からの水分蒸発効果が考えられる。観測された出力を再現し得る熱的な条件について知見を得ることを目的として、JCO沈殿槽の本体部を模擬したモックアップ試験装置を製作し、一点炉近似動特性方程式を解いて得られた出力に基づき電気ヒータ出力を制御する方法により、プラトー部での熱特性シミュレーション試験を行った。主な試験パラメータは、初期投入反応度に対応する初期溶液温度及び熱除去にかかわる冷却水流量である。試験では有意な水分蒸発量が測定され、反応度約2.5ドルの場合にプラトー部での観測値を再現する結果が得られた。
渡辺 庄一; 三好 慶典
JAERI-Data/Code 2001-008, 62 Pages, 2001/03
JCO沈殿槽の臨界事故における、ウラン溶液注入時の界面挙動を把握することを目的として、沈殿槽の胴体部及び下部鏡板部の形状寸法を模擬した可視化容器(透明容器)を製作し、ウラン溶液注入時を再現した可視化試験を行った。注入液の容器内への拡散状態,可視化容器内への模擬溶液注入時の液面の揺動(スロッシング),ボイドの巻き込み状態等を観察するとともにビデオ撮影した。また、溶液注入時の液面の変動量及び平均上昇液位は、容器内に垂直配置した直読式水深棒を用いて測定した。溶液注入時のボイドの巻き込み量は局所的であった。注入初期の液面の高低差は3mm程度であり、注入終了時で2mm程度に減少したことから、液面揺動量は平均液位に対して1%程度以内と考えられる。
小室 雄一
日本原子力学会誌, 41(12), p.1238 - 1243, 1999/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)平成11年9月30日に臨界事故を起こしたJCOの沈殿槽の臨界安全性は、投入する溶液に含まれるウランの質量を制限することで保証することになっていた。このような管理方法は、一般的に質量管理と呼ばれている。沈殿槽のウラン質量の制限値は2.4kgである。沈殿槽の上流側にある溶解槽からは、その値を超えない量の溶液が移送される設計になっていた。ところが、裏マニュアルにさえ従わず、制限値を上回る量の硝酸ウラニル水溶液を、作業者がバケツで直接何杯も沈殿槽に入れたために、我が国初の臨界事故に至った。第2回事故委員会において、この制限値の導出法について少し議論があったが、米国の核的安全ガイドTID-7016 Rev.1を参照して求めたという答弁だけで終わっていた。第3回事故調査委員会においても文献を教えて欲しいとの意見があった。ここではTID-7016 Rev.1の概要、制限値2.4kgの導出法、制限値2.4kgの安全裕度について述べる。TID-7016 Rev.1を利用した簡便な制限質量導出の一例を示すという意味でも有意義である。